歩くと足が痛くなる坐骨神経痛【閉塞性動脈硬化症】の放置は危険

歩いていると、足の広い範囲にしびれや痛みがでるために、立ち止まってしまう。

このような状態を「間欠性跛行(かんけつせいはこう)」といいます。

坐骨神経痛の方に非常に多い症状です。

この間欠性跛行は、腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)の典型的な症状です。

その名の通り、腰の脊柱管が狭まってしまう疾患です。

ただ、間欠性跛行が出る症状がもう一つあります。

それが、

閉塞性動脈硬化症(へいそくせいどうみゃくこうかしょう)

足を切断することにもなる閉塞性動脈硬化症

この閉塞性動脈硬化症の特徴は、先ほどの間欠性跛行があります。

また普段から足の冷感があります。

そして、進行するとある一定の距離を歩くと、足の筋肉が圧迫や閉塞する虚血状態になるために、
ふくらはぎや太ももが重くなってきたり、痛みを感じるようになり、いずれ激痛がおきます。

この状態は、全身におこる動脈硬化症のために足への血行障害によってです。
さらに進行すると歩かなくても痛みが生じるようになります。

そして一番怖いのは、閉塞性動脈硬化症が最も進行した状態では、足先に治りにくいジュクジュクした傷(潰瘍)ができ、全く血液が流れなくなり、足先が腐ってしまうこともあります。

ここまで進行すると結果的に足の切断を余儀なくされるだけでなく、
切断2年後の死亡率は3割にのぼるという恐ろしい症状です。
なので坐骨神経痛があるのに、がまんして放置をせずに、早く専門機関へ行きましょう!

閉塞性動脈硬化症と脊柱管狭窄症の違い

閉塞性動脈硬化症

  • 症状が出現する歩行距離が一定している
  • 立ち止まることにより症状が緩和
  • 症状は足のこわばり、痛み
  • 50~60才以降の男性に発症がしやすい
  • 対処病院は内科、外科

脊柱管狭窄症

  • 症状が出現する歩行距離が一定していない
  • 腰を前に曲げたり、しゃがんだ姿勢によって症状が緩和
  • 症状は足の裏、おしりに痛みが出ることが多い
  • 診断は整形外科(あくまでも診断まで)

どちらも病院で診断が必要です。

また閉塞性動脈硬化症は、足の血管だけでなく、全身の血管にも動脈硬化がある場合もあります。
特に心臓の血管(冠動脈疾患の合併が3割、脳の血管障害が2割あります。

甘く見ていると、生命にも関わります。

MRIで脊柱管狭窄症と診断された方でも、実は閉塞性動脈硬化症だったというパターンもありますので、この症状の出方も参考に、内科、もしくは心臓血管外科に行くのか、整形外科に行くのかの判断をされることもオススメです。

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